226【本】『皆がNOならやってみろ』
『皆がNOならやってみろ』
小社の初代社長・黒埼勇氏の本です。
1990年刊行ということで、かなり古いです。
何しろISBNコードも、バーコードもついてません。
アマゾンでは、中古品の出品があるみたいです。
私自身は、入社当時、総務からもらった記憶があります。
その時読み、数年前に再読し、今回改めて読みました。
単行本編集部に移ってそろそろ1年。
ここらでちょっと初心を思い出そう、と思いまして。
本書は、黒崎氏が講談社から光文社に移り、
さらに組合争議を契機に祥伝社を創業、
という時間の流れに沿って、
編集論が語られます。
(個人的に、こういうストーリー仕立てのビジネス書は好きです。
読んでいて面白いし、話がすっと頭に入ってくる気がします)
主に語られるのは、
光文社時代の「女性自身」の話。
100万部を超えていたこともあったそうです。
皇室関係の記事の裏話、なども出てきますが、
小社の社長の本ということで、社員が読んで面白いのは、
小社のDNAとでもいうべきものが、
今も受け継がれているんだなあ、という点です。
例えば、
「かゆいところに手が届いた配慮を見せる」
…この品物は○○デパートで売っています、という場合は「2階で売っています」
というところまで書く。
駅から500メートルではなく、駅から歩いて5分と書こう。
これは雑誌記事の注意事項として出てきますが、
書籍の編集者である私も、
「読者のかゆいところに手が届くように」
と、新人時代、先輩に散々言われました。
(それが今、実践できているかどうかは、また別の話です)
「編集部内を、絶えず快い興奮状態にしておけ」
これも先輩から、何度も言われました。
これ、快い、というのがポイントで、単なる興奮状態ではないんですね。
まあ、雑誌編集部に比べると、書籍フロアをこういう風にするのは、
ちょっと難しそうですが。
他にも、気になるフレーズ、先輩から教えられたフレーズが出てきます。
・読者の声は天の声、地の声。一歩でも近づけ!しかし、直接会って聞くそれは、装われた声が多い。
・企画力とは、イコール各人の行動力に正比例するものではなかろうか。
やはり足を使って行動する人が、平凡ながら企画力も旺盛になるものだ。(←耳が痛い…)
・企画段階でヒントは「おもしろそうだ」、プランとなると「そうだ」が取れる。
・企画会議では、プランの説明を長々とやる前に、まずタイトルにして提示せよ(←これは完全に今もそう)
・見本を手にしたとき、苦渋が表面に出ていないで、さながら編集全員が鼻歌混じりで編集したという軽やかさを感じる号は売れる(←これは、書籍もそうだと思う。なかなか実践できないけれど)
創業者の本。たまに読むと、いいですね。
【本日のアマゾン】
・『クラウド時代と<クール革命>』ランクイン。こっちは角川トップの本。
・なんだか電撃文庫がやたら目に付くような…。
・『歴史の使い方』ランクイン。これはビジネスブックマラソン効果か。
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