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2011年6月19日 (日)

676 【本】『バービーと私』

週刊誌などの書評で気になっていた
『バービーと私』を一気に読みました。

バービーって、名前だけは聞いたことがあるのですが、
アメリカの着せ替え人形なんですね。
巻頭にバービー人形の写真がずらっと並び、
おそらくファンにとってはたまらない写真なんだと思いますが、
この本、人形についてのウンチク本ではありません。
どちらかというと、
迫力にあふれた、ビジネス書です。

バービーがアメリカで発売されたのは、1958年。
実はその前年に、
バービーのデザイナーであるアメリカ人女性が東京にやってきます。
彼女を空港で迎えたのが、
本書の著者である、宮塚文子さん。

バービーが着る洋服は、
日本で作ることになっていました。
日本人の技術力を評価して、のことですが、
この事実、どのくらい知られているのでしょうか?
何しろ、バービーはアメリカで大ヒットしたため、
日本での発売は数年間、できなかったのです。
アメリカで大ヒットしているおもちゃを作っていたのが、
当時、「安かろう悪かろう」といわれていた、日本の工場。

そして、その担当者が宮塚さん。
国際貿易という会社の新入社員です。
裁縫の先生だったという技術力が評価され、
デザイナーさんの宿泊先である帝国ホテルに、
午前9時から夕方5時まで詰め、
その後は国際貿易に戻って、その日、デザイナーさんに言われたことの確認。
連日、終電で帰っていたそうです。
結果的に睡眠不足の日々が続くわけですが、
「あんなにも全力で強烈に生きた1年間はありませんでした」
とのこと。そのくらい、充実していたのですね。

宮塚さんの猛烈なパワーの源泉は、
「日本人の技術力をアメリカ人に見せるんだ」
という意志、なんですね。
個人レベルで、例えば給料を上げたいから、とか、
転職に有利だから、
といった動機では、
1年もの長丁場を乗り切れなかったのでは。
と思うのです。

つまり、仕事って、
動機付けが大事な気がします。

もう一つ、興味深かったのは、
当時、すなわち1958年当時、
これだけのパワーで働く女性の風当たりの厳しさ、
です。

はっきりとは書いていませんが、
どうやら、当時の国際貿易は、
宮塚さんには居心地があまりよくなかったようです。
バービーを作っているマテル社の人たちには
温かい言葉をかけてもらった、
というシーンが何度も出てくるのですが、
日本の会社には、友達らしい友達もほとんどいなかったようで、
ひたすら働いています。
まあ、50年前の日本ですからね。
これだけ働いている女性がいたら、
組織ではちょっと浮いていたかも。

衝撃的なのは、
平成21年に帝国ホテルで行なわれた
バービー発売50周年パーティでのエピソード。

このパーティ、宮塚さんも当然呼ばれるわけですが、
「50数年前に帝国ホテルでマテル社のデザイナーと一緒にドレスの仕事をしたのは、
日本人の3人の女性」
と発表されます。
もちろんそのひとりが宮塚さんですが、
宮塚さんにしてみると、ドレスの仕事をしたのは自分ひとりであって、
他の2人がなぜそんな名乗りを上げたのか。
「ショックを受けました」
とさらりと語っていますが、
さらりとしているだけに、かなりのショックだったのではないか、と。
そしてこの辺にも、
日本の組織の問題を感じるのであります。

それはさておき。

ラスト近くに書かれていた宮塚さんの言葉に、
非常に感銘を受けました。
これだけの仕事をしてきた人だからこその、
迫力があると思いました。
その言葉とは――

「仕事というのは一生懸命やっているうちに、
自分が何をしなくちゃいけないのかということが見えてくるのです。
それで誰に命令されたわけでもなく、規格を作ったり、見積もりを出すもととなる
要尺や工程表を計算したり、自分で勝手に仕事を増やしていきました」

自分で仕事、増やさなくちゃなあ。

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・『アフリカで誕生した人類が日本人になるまで』ランクイン。ふむ。

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