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2011年10月19日 (水)

786 初速がいま一つだったとき

拙ブログをお読みくださっている他社の編集者さんから、

「担当された本が、予想以上に初速が悪かったときの対処法」

について書いてほしいというリクエストをいただきました。
プロモーションなど、担当編集としてやるべきこと、
次に活かすための意識、
といったことらしいです。

このようなリクエスト、とっても嬉しいです。
私ごときの経験が少しでもお役にたつんであれば、
何でも書きますよ。
(ん? 他社さん、ですよね。自社だったらのけぞってしまいますが)

ただ、念のため書き添えますが、
そして誤解はないと思いますが、
これまで出してきた本、予想以上に初速が悪かった本の方が、
私の場合は多いですからね。
予想以上に良かった本の方が圧倒的に少ないです。

ですので、
売れなかった本の事例には事欠かないのですが、
さすがに著者さんのお名前や本のタイトルは、
ブログには出しづらいわけでして。

そういう制約のある中で書き進めますが、
「予想以上に初速が悪かったとき」
にやっていること。
私の場合は、まずは売れなかった原因の分析ですね。

もちろん、「これが原因だ!」と特定できることなんてめったにないですが、
それでも、「これが原因だろうなあ」という仮説は立てられるわけで、
まずはその仮説を考えます。

タイトルが思ったいたよりもインパクトがなかった、とか。
デザインが書店店頭で目立つものではなかった、とか。
残念ながらコンテンツがいま一つのままだった、とか。
その本の読者層が想定とずれていた、とか。

確認のしようがないので、あくまでも仮説ですし、
「失敗から学ぶことなどない」という考え方もありますが、
失敗の理由がわかれば、
今後、そっちの方向にはいかない、ときめられるわけで、
「こっちに進むべき」という強みの分析とともに、
「こっちに進むべきではない」という弱みの方向性も、
見えていた方がいいと思うのですよ。
場合によっては、販売部にその仮説をぶつけることもあります。

で、分析の結果、「売れなかったのは仕方がない」
と、(残念なことですが)思うこともあります。

この場合は、次回、その反省を踏まえてよりよい企画を考えるしかないわけですが、
つまり前を向くしかないのですが、
場合によっては、どうにもこうにも売れない原因がわからない場合もありますし、
「これが売れない原因だろうが、それにしたってもう少し売れていいはずだ」
と思うこともあります。

その場合はやれる範囲でやれることをやるわけですが、
何しろ数字が伴っていませんから、
お金が猛烈にかかることはできないわけです。

となると、手作りのポップを作ったり、
チラシを配ったり、というくらいですかねえ。

初速は正直、こちらの予想ほどではなかったけれど、
粘った結果重版が決まった嬉しい事例として、
『人生に悩んだら「日本史」に聞こう』
があります。

この時、何をしたかを書いておきます。
(ちょっと自慢話めくかもしれませんが、お許しください)

まず、著者の白駒妃登美さんが、熱心に動いてくださいました。
白駒さんがお住まいの福岡のいろんなメディア(ローカルテレビや地域雑誌)に、
ご自身が営業をかけてくださいまして、
結果的に、九州のいろんなメディアで紹介されました。

次に、ポップを100枚作り、
その全てに、白駒さん手書きのコメントを書いていただきました。
それらポップは、売れ筋の書店さんや、九州の書店さんに置いていただきました。
(このポップ、たぶん4万円くらいだったと思います)

さらに、フリーペーパーを作りました。
本書の読みどころをA4にまとめたフリーペーパーを作り、
書店さん店頭で配ってもらいました。
全部で1000枚くらいかなあ。
(これ、たぶん5万円くらいでできたと思います)

そして、販売部にできるだけ情報を流しました。
白駒さん、日本史のセミナーを各地で行なっているのですが、
その情報や、上記の九州メディア出演の情報を、
販売部にメールで流し、「白駒さん、頑張っているなあ」
と思ってもらえるようにしました。

この本が幸せだった理由のひとつは、
販売部の担当と偉い人がそれぞれ読んでくれて、
「この本、もっと売れてもいいんじゃないの」
と思ってくれたことだと思います。

やはり、売り手である販売部が、その気になってくれたのは大きいわけで。
それに、ひょっとして新聞宣伝でスペースが空いたら、
「この本を入れようか」と思ってくれるかもしれず…。
(今のところ、そのような幸運にはまだ恵まれてませんが)

また、(当然といえば当然ですが)
ツイッターなどでこの本のことに言及している人を見つけたら、
「担当編集です。ご購読御礼!」といったコメントを返していました。
これ、売上に直結するかどうかは不明ですが、
やらないよりはやったほうがいいだろうと思いまして。

他にも、この本が売り伸びたのには理由があります。
上記のとおり、白駒さんが各地で講演し、そのたびに本のことを言ってくれたこと。
白駒さんがご自身のブログで、この本のことを紹介してくれたこと。

最終的にはそれらが複合的に効いたのだと思います。
だから、常に同時並行的に進めよう、という思いも必要なのかも。
とも、思います。

…ええと。質問者の方、こんなもんでいいですか?

【本日のアマゾン】
・『人は死なない』気になるなあ。

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コメント

白駒様
お読みいただき、恐縮です。
この本、けっして悪い出足ではなかったのですよ。
ただ、私の期待よりは低かった、ということでして。
何よりも白駒さんのご尽力のおかげで、売れております。
本当にありがとうございます!

羽子さま
少しはお役に立てましたでしょうか…。
私も、心と体が小さくなることはしばしばです。
まあ、それでもちょっとずつ、体を伸ばしていけばいいのでは、と。
もしよろしければ、フェイスブックもやってますので、
そちらも見ていただけますと幸甚です。

萩原さん、販売部の方々、それから本を読んで宣伝してくださった皆さま、そしてこの本をオススメしてくださる書店の皆さま、本当にありがとうございます!!
重版が決まるまでに、こんなに多くの皆さまの応援があったんですね。
あらためて感動しています。
著者自らの販促活動、これからもっともっとがんばっていきますね!!
今まで以上に宜しくお願いいたします。

初速が悪い本についてのブログ、ありがとうございます。
すっごく参考になりました。
本当に、こういう事例、なかなか社内で拾えないです。私の情報収集力に問題があるんだと思いますが、
動きが悪いと、、、、、なんというか、心とか体が小さくなっていくみたいで、引きずられて目も耳もこじんまりしてくるんです。それじゃいけないですね。ちょっと自意識過剰でした。
次から次へと作らなきゃいけない本があるので、気落ちを切り替えて頑張ります。
そして地道なプロモーション、私もやります。
あ!宮崎あおいを可愛い、という男性、要注意です(笑)

では、恩を仇で返すべく・・・私も負けません!!

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