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2011年11月21日 (月)

816 1800人で書籍をソーシャル編集

ツイッター経由で、ちょっと気になる新聞記事を見つけました。
11月18日の日経新聞に載っていたらしいんですが、

1800人で書籍の「ソーシャル編集」

というものです。
記事はこちらですが、そのうち消えてしまう可能性もありますので、
私自身の記憶力のためにも、簡単にまとめておきます。

新刊本この記事で紹介されているのは、
『ソーシャルシフト ― これからの企業にとって一番大切なこと』
という本。
ソーシャルメディアを活用した企業変革の重要性と具体的なプロセスをまとめた新刊で、
著者はソーシャルメディア関連のコンサルティング会社を経営する斉藤徹氏。

この本、発売から1週間足らずで重版決定という素晴らしい売れ行きです。
で、興味深いのは、その作業の進め方。
原稿を9割方書き終えたところで、
斉藤氏はFacebookに非公開のコミュニティー「ソーシャルシフトの会」を開設します。
そして、会の趣旨として以下の投稿をしています。

 「11月11日に発売予定の僕の書籍『ソーシャルシフト』の原稿をグループメンバー限定で公開します。入稿ぎりぎりまで時間をかけ、できる限りクオリティー高く、世の中に役立つ書籍に仕上げたいと考えています。皆様の忌憚(きたん)のないご意見をいただけると幸いです。またご友人の方で、この内容に興味ある方がいらっしゃれば、自由にお誘いいただいて結構です。できるだけオープンに、多くの方に読んでいただきたいと考えています」

このコミュニティーを作ったのが、入稿予定日の約3週間前である9月21日。
入稿日の10月13日には、参加者が1894人になりました。

このコミュニティーに斉藤さんは「生原稿」をアップし、
原稿に対して寄せられたコメントをもとに原稿を書きなおし、
その修正したものもアップ。
それを入稿までの3週間、繰り返したらしいのです。
コメント数は、なんと1000件以上。
最終的に
「当初より多面的にブラッシュアップされた状態で、しかも予定日よりも1日前倒しで入稿することができた」
とのこと。

編集担当の堀内さんによると、
この本は特に初動が早く、ネット書店アマゾンでの事前予約も多かったそうです。
まあ、それはそうですよね。
編集担当の堀内さんも
「自分たちが参加して作ったんだということで愛着がわくので、
もちろん買ってくれるし、他人にも積極的に薦めてくれる」
と語っています。
さらに堀内さんは、
「こんなに規模が大きくなくても、例えば影響力が高いブロガーや知識人など、
10人くらいの少数精鋭でソーシャル編集のチームを組む、といったことにも挑戦してみたい」。
とのことです。

さてさて。
こういう記事を見ると、真似をしたくなるのが私の性分でして…。

フェイスブックの機能を使って生原稿にコメントを求める、
というのは面白いと思います。
それに、事前の宣伝にもなる。

本づくりをしていてつくづく思うのですが、
「こういう本が出ましたよ!」ということそのものを、
知らない人が圧倒的に多いのですよ。
もちろん、著者の周囲の人たちや本好きの人、情報収集が好きな人は、
「○○出版社が××という本を出すらしい」
ということを知っていると思いますが、
そういう人はごく少数なのですね。

本が出る直前、あるいは直後、その本が出たことを知っている人は、
基本的にものすごく少ない。
それが大前提だと思うのです。

逆に言うと、何らかの手段を用いて、
たくさんの人に「こういう本が出ましたよ」ということを伝えたいわけです。
その点において、この企画は秀逸だと思います。
本づくりにかかわったソーシャル編集者さん、自分の周囲に宣伝すると思うんですよね。

問題は、どんな本でもできるわけではない、むしろ著者を選ぶだろうなあ、ということでして。

●コメントの集約や返事は編集が行なうにしても、コメントを踏まえた修正原稿は著者自身が書かなくてはならない。
●印刷所さんに渡す前の作業なので、締切ぎりぎり、あるいは締め切り過ぎてから脱稿します、という書き手ではうまくない。
●ネットの意見、時として辛辣なものもあるはずで、それにおれない、強い心である必要がある。
●テーマそのものが、ソーシャルネットワークのような、「ネットでやりとりする必然性のあるテーマ」であることが望ましい。

……こういうふうに書き連ねてみますと、
私が担当させていただいている作家さんでお願いできそうな人、
数人に限られてしまうなあ。

ちなみに、こういう記事に対して、
「出版社の編集者がいらなくなるのでは?」
という反応もあると思います。
少年ジャンプの人気漫画「バクマン。」でも、先日、
似たようなテーマを扱っていました。

ただ、職業として編集をやっている立場で言わせていただくならば、
こういう形でのネットの1500人とリアルの編集者、
競合するものではない、と思います。
むしろ共存できると思っています。

【本日のアマゾン】
・『社長はなぜ、あなたを幹部にしないのか?』1位。ふむふむ。
・『スティーブ・ジョブズ I』9位かあ。

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