997 【本】『独裁者の最強スピーチ術』
川上徹也さんの新刊『独裁者の最強スピーチ術』を読了しました。
帯のキャッチコピーにある通り、
ヒットラーと橋下徹大阪市長の演説から、
人を動かすテクニックを学ぶ、
という1冊。
この切り口が、とても面白いと思います。
前半はヒットラーのスピーチ術、
後半が橋本氏のスピーチ術、
それぞれの解説になっているのですが、
後者のスピーチが前者のそれに、構造上非常に似ていることに、
改めてびっくりしました。
びっくり、といえば、本文デザインもかなりびっくりしました。
ヒットラーと橋下氏の演説部分、
本文のデザインそのものが通常の本文とかなり変わっていて、
一瞬で演説部分とわかるのです。
文字も大きいし、強調したい部分は思い切り大きくしてます。
さらに、上下左右すべて、ページぎりぎりまで使ってます。
必然的に、演説部分が目に飛び込んできます。
引用部分って、多くの場合、その上下に罫線を引いたり、
書体を変えたり、といった程度のことが多いのですが、
このくらい見た目に違う、というのも面白い、
と思います。
いつか、私もやってみたい。
さて、本文に戻りまして、
本書の最終章は
「今日から使える橋下流人心掌握のスピーチ術」
ということで、最強スピーチ術10カ条が出てきます。
これは、それこそ今すぐ使えるテクニック。
私は「サウンドバイト」に気を付けてみようと思います。
そして、「おわりに」。
ここで、川上さんが非常に興味深い指摘をされてます。
現在日本は、国民全体が共通して思い描けるようなストーリーがなくなってしまった。
だから、よいストーリーを提供してくれる政治家を熱望している。
そのストーリーがよいストーリーであれば問題ないが…
と続くのですが、
私が興味深いと思ったのは、
「ストーリーがなくなった時代だからストーリーを提供してくれる政治家を熱望している」
という部分。
実は私、AKBがこれだけもてはやされているのは、
現代がストーリのない時代だから、という仮説を持っているのですが、
思いがけずその証拠をいただいた気分です。
(AKB論に関しては、また改めて)
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