1104 【本】『桐島、部活やめるってよ』
最近、小説を読む機会がグッと減ったのですが、
それでも気になる作家さんは何人かいるわけでして。
朝井リョウさんのデビュー作『桐嶋、部活やめるってよ』。
文庫化を機に。読むことに。
うまい人だなあ、というのが読み終わっての最初の感想です。
20歳の時に、これだけの作品がかけるとは。
この小説、映画にもなってまして、こちらのほうを先に見ました。
映画も、かなり面白いです。
で、原作を読んでみると、
原作と映画、だいぶ違いますね。
基本構造はもちろん同じなんですが、
前半のきわめて映画的な処理は映画オリジナルですし、
原作以上に、吹奏楽部の部長や映画研究会の話が膨らんでいるようです。
もちろん、それには映画的な意味があるわけで、
どっちがいいとか悪いという問題ではありません。
原作では高校生活におけるカースト制みたいなことがちょっと出てくるんですが
(こういう単語がストレートに出てくるわけではないです)
それが映画では、かなり重要なモチーフになってます。
そのために、映画研究会の話が膨らんでいるわけで。
一方、原作でとても印象的なソフトボール部員の話は、
映画ではカットされてます(たしか、そうです)。
これは、これだけで映画になるくらい重い話、なんですよね。
映画研究会の男の子が、中学時代にクラスの女の子と映画に行き、
その帰りがけにマクドナルドに行く、というシーンがあるんですが、
そこでの女の子を見ながらの、
「こんなに美しいものがなんでマクドナルドにあるんだろう、と僕は思う」
という一文、非常に印象に残りました。
というわけで、映画と小説、別物ですが、
どちらも凄く面白い。
ところで、
文庫化に当たって、短編が1個加わってますが、
これがまた、いいのですよ。
前述の、映画研究会の話にリンクするエピソードでして、
これを読むと、人と人の出会いとか、会話というのは、
連鎖しているんだなあ、とつくづく感じます。
(ううむ。表現が下手だなあ)
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