1116 【本】『督促OL修行日記』
この本、売れているみたいですね。
たしかに、面白いです、『督促OL修行日記』。
信販会社に入社した著者が、いきなり支払い延滞中のお客への督促を行なうコールセンターに配属され、そこでさまざまな事件に遭遇する、という実話です。
いきなり「今度電話してきたらぶっ殺す」「お前の会社にいまから行く」
という電話に対応させられるわけですから、
大変なストレスだったと思います。
当然のことながら、主人公は「辞めてやる」と思うのですが、
次第に、仕事にやりがいを感じ始め、成長していく。
そういう、成長の物語であります。
同時に、ストレスいっぱいの職場でどう立ち回るか、
という自己啓発書的な部分もあり、
ここはかなりの読者にとって、ヒントになるのではないか、と。
さらに、主人公が仕事で身につけたコミュニケーションテクニックが、
コラムで紹介されてます。
つまり、いろんな読み方ができる本です。
そういう本って、しばしばテーマが散漫になる危険性がありますが、
著者の文章が読みやすく、すらすら読めることに加え、
何よりその体験が凄いので、一気に読めます。
で、ぐいぐいと読んでいるうちに、読者のほうで、
いろいろなテーマを読み込んでいく。
そういう本だと思います。
「20代のOLにとっては、愛されて評価をされることが存在の証明のようなもの」
という文章がさりげなく出てきて、
思わず唸ってしまいました。
それから、この本に紹介されていたことの孫引きですが、
頭脳労働、肉体労働だけでなく「感情労働」というのもあるらしいです。
自分の感情を抑制することでお金を得る仕事で、
代表的な感情労働は、客室乗務員と集金人。
もちろん、著者の仕事も感情労働、でありますね。
それにしても。
こういう著者を見つけてきたのも、
素晴らしいなあ、と思います。
この本の担当編集者さん、知り合いなので、
どうやって探し出したのか、そのうち聞いてみたいです。
【本日のアマゾン】
・『牛に化粧品を売る』凄いタイトル。ちょっと気になる。
・『光圀伝』本日の「王様のブランチ」で特集していた。
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