【本】『イニシエーション・ラブ』
『イニシエーション・ラブ』、読みました。
映画公開が近いのですが、その前に原作を読んでおこうと思いまして。
久しぶりに1ページ19行というぎっちりと下地組の文庫でしたが、
読み始めたら2日で読了。面白いもんですから。
この本、単行本が出た時に読んだはずなんですが、
ほとんど覚えてませんでした。
2004年に出版されているから、10年以上前なんですねえ。
カバーに印刷されている内容紹介によれば、
「最後から2行目で、本書は全く違った物語に変貌する」
のですが、実は私、最後まで読んで最初に思ったのは、
「ん? どういうこと?」
つまり、著者のトリックの意味がわからないという実にひどい読者だったのですが、
大矢博子さんの解説を読んでようやく納得。
特に、大矢さんの最後の1行で「ぐわああ。そういうことかあ」と納得しました。
著者のトリック、直接的には全く言及してないのに、
読者にそう思わせる、大矢さんの超絶技巧の解説もすごいと思います。
本書、なんだか急にもてだした男子大学生の話で、
読んでいてリア充爆発しろ的気分になるのですが、
それと同時に、なんだか微妙に変な記述も、特に後半チラホラと出てきて。
大矢さんの解説で著者の企みがわかった瞬間、
少しばかり甘ったるい恋愛小説が、
ものすごく怖い話に反転しました。
映画公開前に読まなきゃ、ということで読んだわけですが、
そもそもこの小説、映像化できるのかなあ。
今はそれが、とても気になります。
それからもう一つ。
この本、文庫が120万部突破とのことですが、
ヒットのきっかけはテレビ番組「しゃべくり007」で大絶賛されたから、
と聞いてます。
テレビの影響力って凄い。
と改めて思います。
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