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2021年11月17日 (水)

『赤と青とエスキース』はすごい小説でした。

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青山美智子さんの最新作『赤と青とエスキース』。

今回も、面白かったなあ。

青山さんが本気で書いた、大人の恋愛小説です。

 

帯のキャッチコピーが

「この本を読み終わったとき最初に思い浮かんだ人を、どうか大切にしてください」

なのですが、私が読後最初に思ったのは、

「青山さん、すごい小説書いたなあ」

「これだけの作品を書かれたら、その次のハードルが上がって大変だろうなあ」

というものでした。

 

これまでの青山さんの作品に比べ、

タイトルもカバーの印象も、かなり異なります。

そもそも、エスキースってなんですか? と思ったわけでして。

エスキースって、下絵のことらしいです。

 

帯の裏に書いてある通り、エスキースをめぐる、5つの愛の物語です。

青と赤で描かれたエスキースが、章のどこかに必ず出てきます。

 

ああ、なるほどなあ。と思って読んでいたんですが、

4章の最後のページで「え。どういうこと?」と思ってしまいました。

その答えが、長めのエピローグに書かれていて「なるほどお」と唸ったのですが、

小説を読んでこれだけ驚いたのは久しぶりです。

綾辻行人さんのミステリを読んで、世界が揺さぶられたときのような。

 

これ、読者が勘のいい人だったり豊富な恋愛経験の持ち主だったりしたら、

「あ、やっぱり」となるのかな。

 

青山さんのこれまでの作品は、前の短編にちらっと出てきた人が次の短編の主役になり、

といった感じの仕掛けがしてあって、読み終わったときには、

誰もが自分の物語の主役なんだよな、という思いを強くするのですが、

今回もある仕掛けがしてあります。

詳しくは書けませんが、まさに、誰もが自分の物語の主役です。

 

ものをつくる人間の思いや仕事に対する考え方が繊細に描かれていて、

そこは非常に納得しました。お仕事小説でもあるのですよ。

そして同時に、上質な恋愛小説でもある。

すごいわ、青山さん。

 

帯には「2021年本屋大賞2位『お探し物は図書室まで』の著者 新境地にして勝負作」というフレーズもあり、

編集者さん、強気だなあと思ったのですが、読み終わってみたら全く同感です。

これだけのお原稿をいただけたら、担当編集者として、このくらいのキャッチコピーを書きたくなるよなあ。

 

あ、そうそう、読み終わると「赤と青のエスキース」でなく、

『赤と青とエスキース』とした、タイトルの意味がわかります。

 

というわけで、実に楽しい読書体験でした。

 

 

 

 

 

青山さんが本気で書いた大人の恋愛小説。

 

 

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