『ファクトフルネス』はページをめくらせる力が半端なかった。
昨日、ちらっと書いた『ファクトフルネス』。
今日は編集者視点で、もう少し詳しく書きます。
この本、日本だけで100万部という大ベストセラーで、
2019年当時、書店でもよく見かけました。今も見ます。
そのたびに「読まなくては」と思ってはいたのですが、
400ページほどの分厚さで、サイズも通常の本より少し大きめ。
手にしたときのずっしり感が半端なくて、躊躇してました。
今回、永井朝活塾のテキストになったので、
恐る恐る読み始めたのですが、これがびっくりするくらい読みやすい。
訳文がこなれていて読みやすい、というのがもちろん大きいのですが、
冒頭に出てくるクイズがキャッチーで思わず気になるのです。
例えば、「いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?」
自分の常識を揺さぶられるようなクイズが、冒頭に13問出てきます。
ここでびっくりして、思わず「読まなくちゃ」という気になってしまう。
各論に入ると、著者自身が体験したエピソードがたくさん入っていて、
それがどれも興味深いので、さらに引き込まれる。
エピソードトークって、強烈なんですよね。
ものすごく簡単に言ってしまうならば、
この本、ページをめくらせる力が強いんです。
各章の扉にイラストが入っていて、
章の最後にイラスト全体が入っている。
実はこういうイラストだったのかあ、とわかる。
これが、その章のまとめというか、象徴になっている。
この辺のところは、自分自身の本づくりの、ヒントにさせていただきます。
さらに。
著者のハンス・ロスリングさんは、
この本の完成を見ずに、ガンで亡くなっています。
余命数ヶ月と宣告されて、それからの日々は執筆に全力を傾けます。
亡くなってからは息子さんとその奥さんがまとめて、本にしています。
著者の執念、というか圧倒的な熱量。
それが感じられるから、思わず最後まで読んでしまうのかもしれません。
ともあれ、永井朝活塾がなかったら読めてなかったと思います。
貴重な読書体験でした。
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