どんでん返しと書いてあるのにやっぱり騙されました、『ピエロがいる街』
ノンフィクションを日頃編集しているので、
読む本もノンフィクションがどうしても多くなります。
その反動で、たまに小説を猛烈に読みたくなる時があります。
先日、朝日新聞の読書欄に、作家・横関大さんの
インタビュー記事が載ってました。
ドラマ化・映画化された『ルパンの娘』の原作者です。
その記事の中で紹介されていた『ピエロがいる街』を読んでみることに。
面白そうだったものですから。
この本、かなり挑戦的ですよ。
何しろ、帯に「どんでん返し!」と大きく入っています。
当然、どんでん返しがあるのね、という気持ちで読むわけで、
騙されないぞと思いつつ、読み進めました。
「会いに行ける」を公約にしている市長と、
人助けに励むピエロ。
この二人が同一人物らしいぞ、
でも、それじゃどんでん返しにならないなあ。
いややはり同じ人だろう・・・
とあれこれ考えながら読んで行き、
終盤で「そうだったのかあ」となりました。
見事に騙されました。
ラスト15ページの怒涛の展開はすごいですよ。
殺人事件の意外な犯人がわかり、
ピエロの正体がわかり、
さらに、感動的な後日譚へとなだれ込みます。
この展開は素晴らしいなあ。
とても気持ちのいい騙され方。
そして、何よりも読後感がとてもいい。
騙された、というのは、私の固定観念が理由でして
(う。ネタバレギリギリかも)
物事をすべてフラットに捉える人には、
どんでん返しとならないかも。
この文庫の中に「横関大を読め!」というブックガイドが入ってまして、
これがなかなか読み応えあり。
ご自身の解説付きなんですよね。
これを見て、さらに読みたくなりました。
次は『スマイルメイカー』だ!
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