
雑誌ハルメクの山岡朝子編集長。
今年の1月のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で特集されていて、
その時の感想をこちらに書きましたが、先週の「林修の初耳学」にもご出演されてました。
本日(2022年5月8日)の夜9時59分まで、Tverで無料で見られるようです。
(それならもっと早く記事にしろ、という話なんですが)
ちょうど鹿児島帰省中にこの番組を見て「おお!」と思い、
さっき改めて、TVerで復習しました。
「プロフェッショナル 仕事の流儀」とはまた別の角度で、
「ハルメク」と山岡編集長の凄さを説明していました。
山岡さんがヘッドハンティングで「ハルメク」の編集長になった時、
「ハルメク」は最低の部数。そこからV字回復して、
現在は当時の約2倍、月刊38万部の雑誌になっています。
そのV字回復の秘密を、番組では3つ、挙げていました。
1 65歳のA子さん
シニア雑誌ではなく女性誌を作るんだ、と発想を変えた。
その際に、山岡さんの中に「65歳のA子さん」というペルソナを作った。
という話です。
(これは「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも出てきました)
シニア雑誌という思い込みを捨てたことで、多彩な企画が出てきた、とのこと。
2 徹底的なデータ収集
通常、月刊誌は3ヶ月かけて作るらしいのですが、
「ハルメク」は6ヶ月かけて作る。
で、前半3ヶ月は徹底的な調査なんですね。
読者からのハガキやアンケートを徹底的に読み込み、
そこから仮説を立てては調査して、企画を具体化していく。
調査の結果、ボツになった企画もあるらしいです。
3 年200回の読者との会合
アンケートやハガキだけだと、読者にもわかっているものしか出てこない。
読者にもわかっていない部分を掘り下げるためには、
読者と会って話をすることが必要。
という話です。これ、書籍の企画にも言える話ですね。
そういう会合の結果、わかったことの具体例として、
「片付け・整理」には、「捨てる決心をする」というプロセスが必要。という話が出てきました。
決心ができないから捨てられない。
では、捨てる決心を後押しする企画だ! ということで、
NPO法人と組んで「古着でワクチン」企画を作ったそうです。
なんというか、読者と編集部のサイクルが綺麗なんですよね。
書籍の場合は定期購読者もいませんし、読者との会合も難しい。
あえていえばサイン会かなあ。
だからこそ、編集者一人一人が、「この本のメイン読者はこんな人」と、
自分の中にペルソナを作る必要があると思いました。
読者アンケートやハガキがない分、書籍編集者は想像力を働かせ、
書店に行って読者予備軍の姿を観察し、なんとかかんとか、
ペルソナを作っていく。
4冊担当していたら4人のペルソナができる。というか、必要。
帯のコピーや目次は、そのペルソナが納得するものにしなくては。

それから、企画を進める際の指針が、
「びっくりした」「感動した」と読者に思ってもらえるか否か。
「ハルメクにしかない情報か否か」
とのことで、これは本作りの際も意識すべき指針だと思いました。
金を出して買ってもらう以上、その本にしかない情報でなくては!
ところで、これは「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも出てきたと思うのですが、
山岡編集長は悩む時間がもったいないとのことで、ランチメニューを決めているそうです。
時間のないときはコンビニのクロワッサンサンド。
少し時間があるときはさばライス(たぶん神保町ブックセンター)。
さらに時間があるときは明太子クリームパスタ(珈琲館)。
あれだけ魅力的な店が多い神保町で、この3種というのはストイック過ぎます。
私の場合は糖質制限が可能なお店ということで、結果的に6軒ほどに絞ってますが。
(それでも週に1軒は新規開拓してるなあ)
さばライス、近々食べに行こうかしら。
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