この本はいかにしてロングセラーになったのか?
最近、フェイスブックに、重版した書籍のことを投稿してます。
なんといっても重版は貴重ですからね。世間に知ってもらわなくては。
昨日は曽野綾子先生の『「いい人」をやめると楽になる』の写真をアップ。
この文庫、2002年に出版して、20年かけて73刷です。
かなりすごいです。
ということをフェイスブックに書いたら、
「ロングセラーはどんな読者層がどんな経緯で知って買うのでしょうか?」
という質問が。
たしかに。どうやって知るのだろう? と考えてみました。
これって、鶏と卵ではないですが、
書店にずっと置いてもらえるからロングセラーになっている。
ということだと思います。
書店の棚は、場所取り合戦です。
毎日、たくさんの新刊が出てます。
したがって、「売れない」と書店員さんに認識された本は
出版社に返品されます。
逆に、「売れる」と認識してもらった本は
返品されずに売り場に置いてもらえらから、売れる。
で、「やはり売れるんだ」ということで、また注文してもらえる。
この好循環スパイラルがずっと続くから、ロングセラーになる。
冒頭に戻って、「ロングセラーをどうやって知るのか」の最大の答えは、
書店に置いてあったから。
だと思うのです。少なくともロングセラーはそうじゃないかと思います。
新刊みたいに宣伝をガシガシ行うわけにはいきません。
書店で「へえ、こんな本があるんだ」と見つけていただくのが、
たぶん最大にして最強の宣伝。
では、いかにして売り場に置いてもらうか。起き続けてもらうか。
それが一番難しい問題であり、出版社としても苦労するところですが、
それは結局「この本は売れる」「この本はロングセラーである」
と認識していただく、ということだと思います。
というわけで、結局、鶏と卵のような話になるのですが。
あ、これは文庫とか新書の話であって、
絵本は明らかに、親から子に伝わっていくロングセラーですね。
大学生の先輩から後輩に伝わるロングセラー、
会社の先輩から後輩に伝わるロングセラー、
といったものもあると思います。
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