『君のクイズ』は評判通り面白かった!
巷で話題の『君のクイズ』。
面白かったなあ。
200ページ足らずでささっと読めるんですが、ずしっとした読了感があります。
主人公たちの人生を共有した、とでもいうのでしょうか。
謎の設定が、とても面白い。
生放送のクイズ番組で、出題者が一音も発していないのに回答者の本庄はなぜ正答を言えたのか? この謎に、対戦相手の三島が挑む。
という話なのです。
この設定が、とても魅力的じゃないですか。
どう考えてもヤラセ以外無理、と思ってしまうのですが、三島が辿り着くのはかなり意外な、しかし極めて論理的な理由です。
そしてそこに至るまでに、三島と本庄の人生が浮かび上がってくるのです。
しかも文章が読みやすくてスイスイ読めてしまう。評判が良いのも納得です。
「僕たちはいつもクイズを出題され続けている」「世の中のほとんどのクイズには答えがない」というフレーズにはグッと来ました。定年が近づいている私には「まさに!」という感じです。
あ、そうそう、「誤読三兄弟」というフレーズが出てきて、これも興味深い。「乳離れ」(ちばなれ)「続柄」(つづきがら)「一段落」(いちだんらく)の3語ですって。
著者の小川哲さん、新刊の『地図と拳』も気になってますが、こちらは600ページ越えなんですって。ちょっと手が出しづらいわあ。
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