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2023年3月15日 (水)

獅子文六『コーヒーと恋愛』が面白い。

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数年前になりますが、「いま、獅子文六が熱い」的な新聞記事を読んだ記憶があります。

獅子文六。

小説家です。

1969年に亡くなってます。

私が生まれて数年後のことなんですね。

名前は知ってますが、読んだことはありませんでした。

 

ちくま文庫が獅子文六の小説を復刊している、そして売れている、

というのが上記の記事の主旨だったと思います。

獅子文六原作の「えっちゃん」をNHKがドラマ化したのが2017年なので、

その頃かもしれません。だとしたら6年前か。

 

先日、八重洲ブックセンターに行って文庫を買おうと思ったのですが、

「獅子文六の小説を読んでみよう」と思って購入したのが、

『コーヒーと恋愛』

 

最初に単行本として世に出たのが1963年。

ちょうど私が生まれた年です。

読売新聞に連載していたそうです。

 

で、読んでみると、これがとても面白い。びっくりするくらい。

 

まず、文体が全然古くない。読んでいてストレスがない。

会話が多めですが、これが実に生き生きとしてます。

 

次に、主人公の悩みに共感できる。古くない。

テレビで活躍している役者なんですが、自分の才能にいまひとつ自信を持っていない。

年下との夫の関係もちょっとギクシャクしている。

この辺り、今の読者も非常に共感できると思うんですよね。

 

主人公が得意なのは、コーヒーを淹れること。とても美味いコーヒーなんです。

ところが、ある朝、夫から「今朝のコーヒーは美味しくない」と言われる。

そこから始まるんですね、この小説。この導入部も魅力的。

 

そして、ちくま文庫側の熱量も熱いんですよ。

手書き文字の帯にぐっと引き込まれます。

 

新聞広告が今より影響力あったんだろうなあ、とか、

結婚したら女性は仕事を辞めるのが普通、とか、

さすがに今の感覚とはちょっと異なるところがありますが、

それはそれとして、当時の風俗として興味深いです。

 

というわけで、獅子文六の他の小説も読みたくなってます。

 

 

 

 

 

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